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逆流性食道炎
どんな疾患か?
胃内容物が食道内に逆流することで食道に障害がみられたり、不快な症状が起こる状態と定義されます。
正確には胃食道逆流症(GERD)といい、逆流性食道炎はその中の分類のひとつとなりますが、医療者でも大別せず逆流性食道炎と呼ぶ方が多いです。
症状は?
具体的には胸やけ、呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)が代表的な症状ですが、腹痛や慢性的な咳が出ることもあります。
診断方法は?
胃カメラで食道粘膜の炎症を確認することで診断できますが、粘膜炎症がなくても症状が同症状が出現するNERDという病態もあります。
治療は?
治療は基本的には胃酸分泌を抑える薬などの内服になります。
マロリーワイス
症候群
どんな疾患か?また症状は?
嘔吐などによりお腹の中の圧力が急激に上がり、食道と胃の境目近くの粘膜が裂けることで出血し、吐血や下血の原因となります。特にお酒を飲んだ後の嘔吐が原因となることが多いです。血は自然と止まることも多いですが、重症化し出血性ショックに至ることもあります。
診断方法・治療は?
診断には胃カメラ検査が必要となり、出血状態によっては止血処置が必要となることもあります。
急性胃炎
慢性胃炎
どんな疾患か?
同じ胃炎ですが、原因や病態は全く違うものとなります。
急性胃炎は文字通り、何らかの原因により胃粘膜に急性の炎症性変化が起こるものであり、その原因が改善されれば速やかに治癒するものです。原因として多いのは解熱鎮痛剤の内服やアルコールなどです。ストレスが原因でも起きることがあります。
慢性胃炎は胃粘膜に炎症や萎縮と呼ばれる変化が起こっている状態であり、原因のほとんどがヘリコバクター・ピロリ菌(H.Pylori)の感染によるものです。他には自己免疫性胃炎(外敵と戦うはずの免疫細胞が自分の胃粘膜攻撃してしまう状態)という疾患が原因となることもあります。
症状は?
急性胃炎は急激に発症する上腹部痛、嘔気・嘔吐が代表的な症状ですが、重症例では吐血・下血することもあります。慢性胃炎は基本的にあまり症状が出ませんが、高齢者では食欲不振に繋がることがあります。
診断方法は?
急性胃炎、慢性胃炎ともに胃カメラで胃粘膜の炎症を確認することで診断できます。
治療は?
急性胃炎の治療は基本的には胃酸分泌を抑える薬などの内服になりますが、重症の場合は入院加療が必要となることもあります。
慢性胃炎の治療に関しては、ピロリ菌の感染が原因であれば除菌治療を行います。
上記したように慢性胃炎のみではまた、自己免疫性胃炎の根本治療はないため、それに付随して起こる貧血などに対しての治療を行います。
ヘリコバクター
・ピロリ菌
(H.Pylori)
ピロリ菌とは何か?
螺旋状の形をしていることから名付けられた菌です。ヘリコプターのヘリコと同じです。一般的な菌は胃酸のためヒトの胃の中に棲むことはできませんが、ピロリ菌は胃酸を中和する防御機構を持っているため、胃の中に棲むことが出来ます。幼少期に井戸水を飲んだり、親から口移しで感染することが多いです。
症状は?
感染しているだけでは自覚症状はありませんが、ピロリ菌は胃粘膜に炎症を起こすため慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因となるほか、そのまま放っておくと胃がんのリスクになるため除菌が推奨されています。
診断は?
胃カメラでの粘膜状態の観察及び迅速検査、呼気検査や血液検査などで行います。
治療は?
除菌治療は抗生物質と胃薬を1週間内服することで行い、初回の除菌でも成功率は9割以上と言われています。除菌後、胃の粘膜は時間経過とともに治癒していきます。
また、ピロリ菌の除菌後は胃がんのリスクは下がりますが、0になる訳ではないため、定期的な胃カメラ検査を受けていただくことが推奨されています。
機能性
ディスペプシア
どんな疾患か?症状は?診断は?
そもそもディスペプシアとは、胃が痛い、もたれるといった不快な感覚の総称です。
胃カメラやCTなどを行っても不快症状の原因疾患が見つからない場合、機能性ディスペプシアを疑います。胃の動きが悪いなどの運動機能異常や知覚過敏、ストレスなどの心理的要因などが原因となると言われています。
治療は?
胃薬や胃運動改善薬の内服が中心となります。
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
どんな疾患か?
胃や十二指腸の粘膜が炎症により傷つき、深く掘れてしまった状態です。
原因の多くは他述したヘリコバクターピロリ菌と、解熱鎮痛剤の過剰内服がほとんどです。ピロリ菌が感染した状態では常に胃粘膜に炎症が起きており、その状態で解熱鎮痛剤を内服すると粘膜防御機構が破綻してしまい、潰瘍が形成されてしまいます。
症状は?
胃の不調や痛みが生じることが多いです。
また出血したり、あまりにもひどいと穴が空いてしまうこともあります。不整脈や心筋梗塞、脳梗塞の治療で血をサラサラにする薬(抗凝固剤)を内服していると、出血リスクが高くなります。また、穴が空いてしまった場合は腹膜炎に繋がり、緊急手術が必要となることもあります。
診断は?
確定診断には胃カメラが必要となります。
治療は?
胃酸分泌制御薬などの胃薬の内服が中心となりますが、ピロリ菌がいる場合は除菌治療が必要となります。
胃ポリープ
どんな疾患か?
大腸だけではなく、胃にもポリープが出来ます。過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、腺腫性ポリープに大別されますが、過形成性と胃底腺は基本的には良性であり、悪さをすることはほとんどありませんが、大きくなってくると悪性化したり出血することがあるので切除が必要となります。
症状は?
基本的にはありませんが、出血している場合は、貧血の原因となったりします。
診断は?
検診のバリウム検査で疑われることが多く、確定診断には胃カメラが必要となります。
治療は?
基本的には必要ありませんが、腺腫性の場合は内部に癌成分が含まれていることもあるため、小さくても内視鏡的切除を検討する必要があります。
腸閉塞
どんな疾患か?
何かしらの原因で腸管の内容物(食事やガス、うんちなど)が出ない状態を指します。その名の通り物理的に閉塞することだけではなく、腸の蠕動運動が鈍くなって動かなくなる場合も含みます。
物理的な閉塞の原因として多いのは、開腹手術の傷やその時の炎症した部位に引っかかる癒着性と呼ばれる状態であり、その他には腹膜の穴やヘルニア(脱腸)した状態で抜けなくなることもあります。また便秘によりうんちが詰まりすぎて起こすこともあれば、腫瘍により詰まることもあり様々です。
腸の動きが鈍くなる原因としては、腸炎や膵炎などの炎症が波及して動かなくなることもあれば、薬により動きが悪くなることもあります。そこから便秘に繋がり上記の状態となることもあります。
症状は?
お腹の痛みだけではなく、膨れたり、吐き気や嘔吐が止まらなくなることがあります。
診断は?
診断にはレントゲンやCT撮像が必要となります。
治療は?
原因が何であれ、入院加療が必要な状態です。
運悪く腸が捻れてしまい血流が途絶してしまうと、その状態が長く続くと腸が腐ってしまうため、緊急手術による解除が必要となる場合があります。
急性腸炎
どんな疾患か?
ウイルスや菌の感染によるものが多く、それらは感染性腸炎と呼ばれます。
症状は?
痛みや発熱、嘔吐、下痢が主な症状です。
診断は?
診断は基本的には症状から疑いますが、症状が強い場合は他の疾患が隠れてないかも含め、CT撮像を行うこ
ともあります。
治療は?
ウイルス性であれば自然と排出されて治るまで待つしかないことが多いですが、解熱鎮痛剤や吐き気止めで対症療法を補助的に行います。細菌性のものでは抗生剤投与が検討されます。
虫垂炎
どんな疾患か?
小腸から大腸に入った部位を正確には盲腸と言い、そこに虫垂と呼ばれる臓器が垂れ下がっています。そこが細菌感染を起こし、腫れ上がった状態を急性虫垂炎(いわゆる盲腸)と言います。
症状は?
盲腸は右下腹部にあるためその辺が痛くなりますが、最初は心窩部(胃のあたり)から徐々に痛みが移動することもあり、また吐き気が伴うこともしばしばあります。
診断は?
問診で疑い、エコー検査でも診断できますが、確実なのはCT撮像となります。
治療は?
抗生剤により保存的加療(いわゆる散らす)で治ることもありますが、手術で切除することもあります。
炎症性腸疾患
(潰瘍性大腸炎、クローン病)
どんな疾患か?
潰瘍性大腸炎、クローン病の2つは炎症性腸疾患と分類されている特殊な腸炎です。厚生労働省より難病指定されている原因不明の難病であり、10代〜30代の若い人に多いのが特徴です。
症状は?
共通して腹痛、下痢、血便(粘血便)、体重減少などの症状が出ます。
診断は?
問診の他、大腸カメラによる大腸粘膜の評価および生検による病理学的評価が重要となります。
治療は?
原因不明の難病ですが、免疫細胞が機能異常を起こし腸炎を起こしていることはわかっているため、治療は基本的に5-ASA製剤、ステロイド、免疫抑制剤を使用します。また食事内容により悪化することも多いため、食事療法も重要です。
虚血性大腸炎
どんな疾患か?
何らかの原因より、大腸の血流が一時的に血流が低下することで腸がダメージを受けて発症します。具体的には便秘やいきむことが多いと言われています。
症状は?
典型的なものとして、お腹(特に左側)が痛くなる→下痢する→鮮血便が出る順序になることが多いですが、腹痛の後に下痢せず出血する方などもいます。
診断は?
診断には緊急の大腸カメラが確実ですが、CTを撮ることでも診断が可能です。
治療は?
基本的に保存的加療となり自然と治るのを待つだけとなりますが、炎症が強いと入院加療が必要となることもあります。
※また注意しなければならないのが、腫瘍などで大腸が狭くなっていることが原因で発症することもあるので、必ず症状が落ち着いた段階での大腸カメラ検査を受けていただくことをおすすめします。
過敏性腸症候群
どんな疾患か?症状は?
お腹の痛みや不快感があり、それに伴う下痢や便秘が続くのに、大腸カメラなどの検査をしても異常が見つからない場合、この疾患を疑います。特に若い人に多く、入学や進級などの環境の変化、仕事のストレスをきっかけに発症することがあります。また腸内細菌と関連することもわかっており、急性腸炎後の患者さんの10%に発症すると言われています。腸炎後に便通の不調が続く方はこの疾患が原因かもしれません。
治療は?
整腸剤を始めとした内服が基本となりますが、食生活が乱れていると悪化に繋がるため、生活習慣の是正も効果的です。なかなか改善しない場合は抗不安薬なども検討されます。
大腸憩室炎
どんな疾患か?
憩室とは、腸の壁が外側に飛び出てしまうことで形成されます。先天性の憩室もありますが、大腸憩室のほとんどが便秘での圧力上昇により後天性に形成されます。この憩室部位で腸炎が起きるのが憩室炎です。
症状は?
腸の壁から飛び出ている分、炎症が腸の外に波及することも多く、強い腹痛が起こることがあります。また下痢や嘔吐などの感染性腸炎と同様の症状も起こります。憩室は血管があるところに出来やすく、また壁は薄くなっているため、出血を伴ったり穴が空くこともあります。
診断は?
CT撮像で可能です。
治療は?
基本的には抗生剤投与を行います。
胆石症(胆嚢結石症)
急性胆嚢炎
どんな疾患か?症状は?
そもそも胆嚢とは、肝臓で作られた消化液である胆汁を貯める袋です。胆汁を流す管を胆管と呼び、胃の奥(十二指腸)に出口があります。胃から食物が排出されるタイミングで、胆嚢が縮み、食物に胆汁がかかる仕組みになっています。
胆汁はコレステロールから作られているため、体内のコレステロール値が上昇すると、その分ドロドロとなり、岩のように固まったものが胆石となります(コレステロール結石)。その他、ビリルビンという成分が固まって胆石となることもあります(ビリルビン結石)。
胆嚢が縮む時に、胆石があると痛みや吐き気がすることがあります。これを胆石発作と呼びます。自然に石が動いて改善することも多いですが、運悪く引っ掛かって動かなくなってしまうと、胆嚢内に溜まっている胆汁に腸内細菌が感染して胆嚢が腫れ上がってしまうことがあります。この状態が急性胆嚢炎です。上記したように腹痛(特に右のアバラの下)、吐き気、発熱が起き、たまに黄疸が起こることもあります。
診断は?
CTやエコーを用いて行います。
治療は?
程度により軽症、中等症、重症と分けられますが、いずれにせよ入院加療が必要となります。手術加療や抗生剤投与が必要となります。
急性胆管炎
どんな疾患か?
胆嚢ではなく、本管の胆管で炎症が起こった場合は胆管炎と呼びます。胆石が胆嚢から流れたものの、胆管に引っ掛かってしまうと起こります(総胆管結石による胆管炎)。また、腫瘍などにより胆汁が流れなくなっても起こります。
症状は?
発熱が最も多く、腹痛や腹部不快感を伴うことも多いです。また、胆汁が流れなくなると肝臓に逆流するため(正確には少し違いますが)、胆汁の色素が血中に乗って全身に回るため、黄疸を伴うことが多いです。感染した菌も同様に全身に回りやすいため、敗血症に陥りやすく重症化しやすいことも特徴です。
診断は?
採血やCTで行います。
治療は?
入院加療が必要となり、内視鏡治療が必要なことが多いです。
大腸ポリープ
どんな疾患か?
大腸ポリープとは腸の内腔に突出した隆起性病変の総称です。腫瘍性と非腫瘍性に大別されますが、大腸がんになるのは腫瘍性のものが多く、1cmを超えるとがん化する確率が高くなると言われています。
症状は?
ポリープがあっても自覚症状はほぼありません。
診断は?
大腸がん検診(便潜血検査)や大腸カメラが必要となります。
治療は?
1cm以下のものであれば形にもよりますが、日帰り切除術が可能となります。血をサラサラにする薬(抗凝固剤)を飲んでいる方は、休薬が必要となることもあるので、事前にご相談ください。
急性膵炎
どんな疾患か?
膵臓は胃の裏にあり、体を横断するような形で存在します。強力な消化液である膵液を十二指腸から排出しますが、その出口は胆汁と同じ部位になります。その膵臓が文字通り炎症を起こした状態です。
男性ではアルコールの過剰摂取、女性では胆管結石が十二指腸の出口に引っ掛かることで起こる胆石性膵炎が最多原因ですが、中性脂肪の異常高値や薬剤性でも発症します。
症状は?
炎症の拡がり方で部位は異なりますが、いずれにせよ強烈な腹痛・背部痛が起こりやすく、発熱や嘔吐も伴います。
診断は?
CT検査で可能です。
治療は?
絶食と大量の点滴治療が必要となるので、入院加療が必要となります。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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